ウレタン塗料は非常に強固な塗膜を形成するため、使用後のエアブラシ洗浄が重要になります。特に、ウレタン塗料の洗浄には「ウレタンシンナー」を使うことが必須です。ここでは、ウレタンシンナーを使ったエアブラシ洗浄の方法や注意点について詳しく解説します。
ウレタン塗料にウレタンシンナーが必要な理由
強力な塗膜を溶かせる
ウレタン塗料は乾燥後、非常に硬く耐久性の高い塗膜を作ります。この塗膜は通常のラッカーシンナーでは溶かすことができません。ウレタン塗料専用の「ウレタンシンナー」は、その強力な塗膜をしっかり溶かし、洗い流す力を持っています。
通常のシンナーでは不十分な理由
ラッカーシンナーや汎用のクリーナーでは、ウレタン塗料の完全な除去は難しく、内部に残留物が溜まってエアブラシの詰まりや故障の原因になります。洗浄力が強いウレタンシンナーを使うことで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。
洗浄にウレタンシンナーを使うメリット
頑固な塗料汚れが短時間で落ちる
ウレタンシンナーは、ウレタン塗料の乾燥前・乾燥後どちらにも効果を発揮します。短時間で汚れを溶かし、洗浄時間を大幅に短縮できるのがメリットです。
洗浄後のトラブル(詰まり・腐食)を防ぐ
塗料の残留物がエアブラシ内部に残ると、詰まりだけでなく内部パーツの腐食にもつながります。ウレタンシンナーを使ってしっかり洗浄することで、エアブラシを長持ちさせることができます。
ウレタンシンナー使用時の注意点
換気必須!健康リスクへの注意
ウレタンシンナーは強力な溶剤成分を含んでいるため、吸い込むと健康に悪影響を及ぼす可能性があります。必ず換気の良い場所で作業し、防毒マスクを着用することをおすすめします。
エアブラシのゴムパッキンへの影響に注意
エアブラシ内部のパッキンがウレタンシンナーによって劣化することがあります。耐溶剤性の高いパッキンに交換するか、洗浄後は速やかにシンナーを落とす対策が必要です。
使用後は速やかに水洗いをプラス
ウレタンシンナーで洗浄した後は、すぐに水または中性洗剤でエアブラシ内部をすすぎましょう。シンナー成分を残さないことが、長期的なメンテナンスに繋がります。
ウレタンシンナーでのエアブラシ洗浄手順
洗浄に必要な道具と準備
- ウレタンシンナー
- 洗浄用カップ
- エアブラシクリーニングブラシ
- ゴム手袋・保護メガネ
- 廃液回収用の缶またはボトル
事前に安全対策を整え、洗浄に備えましょう。
エアブラシ洗浄の基本ステップ
- カップにウレタンシンナーを適量入れ、エアブラシ内部に通す。
- 分解可能なパーツを取り外し、ブラシで内部をこすり洗いする。
- 洗浄後はすぐに水でよくすすぐ。
- エアブラシを完全に乾燥させる。
- 必要に応じてエアブラシオイルを使用し、金属パーツの防錆を行う。
効率的な洗浄のコツ
- 汚れがひどい場合は、分解後にシンナーに数分浸け置きする。
- 洗浄用シンナーは使い回さず、常に新しいものを使用する。
- エアブラシのノズルやニードル先端は特に丁寧に洗う。
ウレタンシンナーを使う際のトラブル対策
ゴムパーツが劣化した場合の対処法
ゴムパーツが溶剤で劣化した場合は、耐溶剤仕様のパッキンやOリングに交換しましょう。純正パーツで耐溶剤オプションがある場合もありますので、事前に確認しておくと安心です。
強い臭いが気になる場合の対策
臭いが気になる場合は、屋外で作業するか、強力な排気ファンを設置することを検討しましょう。換気を怠ると体調不良を引き起こす恐れがあるため、作業環境の整備は必須です。
ウレタン塗料使用後のエアブラシ洗浄に関するQ&A
ウレタンシンナー以外で代用できる洗浄液はある?
基本的にはウレタンシンナー以外の代用品は推奨できません。強力な塗膜を落とせる性能を持つのはウレタンシンナーだけだからです。
ウレタンシンナーを使ったあとの廃液処理方法は?
使用済みのシンナーは、産業廃棄物として適切に処理する必要があります。一般のゴミに捨てず、自治体のルールに従い廃棄しましょう。
エアブラシ内部に塗料が固着してしまった場合は?
固着してしまった場合でも、ウレタンシンナーに長時間浸けると溶かすことが可能です。ただし、放置しすぎるとパーツにダメージが及ぶため、浸け置き時間は適度に調整しましょう。