エポキシはガソリンに溶けるのか?
低粘度のエポキシには、耐油性がなくガソリンに溶けてしまいます。(システムスリーエポキシなど)
このような低粘度のエポキシは、一般的に木材やFRPの補修接着剤として使用されますが、ガソリンや他の石油製品に対する耐性は十分ではありません。そのため、バイクや芝刈り機などの燃料タンクの補修には適していません。
ガソリンに溶ける可能性があるエポキシを使ってバイクタンクの穴を補修すると、補修部分が軟化して再度漏れる恐れがあります。そのため、バイクタンクの補修には特に耐油性が高いエポキシを選択することが重要です。
エポキシ系接着剤の強度を高めたオートウエルド
耐ガソリン性のあるエポキシは、J-Bウエルド社が開発したミクロ鉄粉入りエポキシ系接着剤オートウエルドがおすすめ!なんとアメリカ・カナダのエポキシ系接着剤のシェア50%以上。
ミクロの棒状をした鉄粉が含まれており、硬化すると棒状の鉄粉が絡み合い溶接なみの強力な接着力となるとのこと。
説明書に、「耐水・耐油・耐酸性」「ガソリンタンク・バッテリー周辺・シリンダーヘッドにも使用可能です」と記載されています。
使用可能材料:金属(鉄、アルミ、真鍮、銅、合金)、陶器、石、木、コンクリート、プラスティック(一部除く)
硬化後に可能加工:穿孔(せんこう=穴あけ)・ねじ切り、研磨、肉盛り、塗装
硬化時間:実用硬化4~6時間 完全硬化15~24時間
エポキシのバイクタンクの穴あき補修方法:ステップバイステップガイド
今回は、上画像のバイクタンク上部の錆による穴の補修を行います。
症状としては、燃料タンクを傾けるとガソリンがじわ~っと滲み出ます。燃料を満タンに入れると溢れる状態なので危険です。まだ、タンク内部は、錆取り処理を行っていない状態です。
エポキシ補修の準備
準備するのは、JBウエルド社のオートウエルド・つまようじ・適当な容器。
オートウエルドは2液混合なので、主剤・硬化剤と分かれています。これにより、長期保存が可能になっています。ちなみにオートウエルドは、開封後でも25年間の液硬化保証が付いています。すごい。
液の量は、ほんのわずかで済みますので、一番小さい1本28.4gのパッケージを購入しました。
補修する表面の準備
①タンクのガソリンをガソリン携帯缶に移します。ガソリン携帯缶があると、DIYがはかどります。
②粗目のサンドペーパーで接着面の足付けを行う。
③パーツクリーナーで油分を飛ばして乾燥させます。
④2液を混合する
黒と白の液を、ほんの少しずつ同量を出します。
つまようじで、グルグルしてしっかり混ぜます。溶剤が白と黒なので混ざったかどうか分かりやすいです。
バイクタンクにエポキシ塗布
エポキシをつまようじで塗っていきます。タンクの穴部分以外に付いてもウエスで拭き取ったら簡単に取れるので、かなり難易度低めの作業です。
見栄えを気にしない場合は上画像のように少し厚めに塗布すれば完了でいいのですが、カッコ悪いので、ウエスで穴に液が充填されるように、押し込みながら拭き取ります。
エポキシ塗布1回目を終えたところです。あまり変わっていないように見えますが穴にしっかりエポキシが埋まっています。
念のため、エポキシが乾燥する次の日にエポキシ塗布2回目を行いました。
他の補修方法との比較:エポキシ補修のメリット・デメリット
バイクタンクの穴あき補修の方法には、溶接・ロウ付け・はんだ付け・タンクシーラーなどがあります。
溶接は溶接機がないとできませんし、溶接跡が残ります。ロウ付け・はんだ付けは、地金を出す必要があるので、再塗装が必要です。
それに対して、エポキシとタンクシーラーは、再塗装の必要がありません。特に、エポキシは、DIYで手軽に行えます。
エポキシを使うデメリット
今回行ったエポキシによるバイクタンク補修は、タンクの外側から塗布するので、穴あきの原因である錆の進行を止めることはできません。ですので、サビ穴が大きくなったり新たな穴が発生する可能性もあります。
エポキシの穴あき補修は、あくまでも応急処置になると考えておくほうが安全です。確実にバイクタンクの穴あき補修を行うためには、錆び取りとタンクシーラーを使うのがおすすめです。
↓ POR15タンクシーラーを使ったバイクタンク穴あき補修方法
エポキシは耐油性と書いてあるものを選ぶ
耐油性とは、一般的にはガソリンやその他の石油製品に対する耐久性や耐性を指します。ですので、耐油性と記載されているエポキシを選びましょう。
おすすめのエポキシ「オートウエルド」