ガソリン漏れの対処方法は、状況と箇所によって対処方法が変わります。この記事では、立ちごけ転倒時・ガソリンスタンドでの給油時・駐輪場での駐車時などの走行中にガソリンが漏れたときの緊急対応と、ガソリン漏れの原因や修理方法について解説します。
バイクのガソリン漏れの応急処置
ツーリングでの走行中のガソリン漏れの場合は、バイクを安全な場所に停止して、周囲を見渡して安全を確保した上で作業してください。
バイクを自宅の駐車場などで保管時にガソリンの臭いがしている場合は、ガソリン漏れの可能性が高いのですぐにガソリン漏れの箇所を特定して対処が必要です。
ガソリン漏れによる爆発の心配は?
ガソリンの引火点は、マイナス40℃で、小さな火種がそばにあるだけで引火するので充分に気をつけて作業を行ってください。
火元になるタバコ、ライター、ストーブなどがないか確認しましょう。
静電気で引火しない?
ガソリンは、静電気でも引火する恐れがあります。ガソリンスタンドには、静電気除去シートが設置してありますが、道路の真ん中で何もない場所でどうすればいいでしょうか?簡単に静電気を除去する対策は、地面や壁にしばらく触れる です。金属が一番電気を通すので静電気を逃がしやすいですが、アスファルトでも静電気をゆっくり逃がしてくれます。
バイクの立ちごけや転倒のガソリン漏れ
まずは、安全確保を行ったあとで、作業を行ってください。
ガソリン漏れ箇所は、転倒によるキャブレターのオーバーフローのガソリン漏れがほとんどです。
転倒時にキャブレターの向きが横になることでキャブレターの中に溜まっていたガソリンが漏れている状態です。
安全確保の手順
- 後ろから車が来ていないか確認
- 後続車が来ている場合は、転倒していることを両手を振って伝える
- エンジンを切って燃料コックをOFFにします
- バイクを起こして安全な場所へ移動します
ガソリン漏れの対処
燃料コックをOFFにしても、ガソリン漏れが止まらないと焦る必要はありません。キャブレターの中に溜まっているガソリンも少量ですのでゆっくり焦らず作業を行ってください。
- ガソリンをウエスやタオルで拭きます
- 燃料タンク、燃料コックからのガソリン漏れがないか確認します
- 燃料ホースが外れていないか確認します
- エンジン下からオイル漏れがないか確認します
バイクを起こしてしばらくガソリンが気化するのを待ってからエンジンをかけましょう。
乾かないうちにエンジンをかけるとスパークプラグが濡れていてエンジンがかかりにくいです。
道路にガソリンをこぼした場合の処理
アスファルトにこぼしてしまったガソリンは、摩擦によって引火する可能性があるため、タオルで拭き取るほうがよいです。ただし、安全が確保して作業を行ってください。ただ、少量の場合は、ガソリンは気化しやすいため、しばらくすると引火の心配はなくなります。
大量のガソリンが漏れてしまった場合には、気化しやすくするために、砂をかけるとよいです。
ガソリンスタンドで給油中やコンビニの駐車場などでガソリンをこぼした場合は、ウエスなどを借りて拭けば大丈夫です。そのまま放置してしまうと、ガソリンの臭いがずっとして迷惑がかかりますし、ガソリン染みが出来てしまうので、店員さんを呼んで、水や洗剤で洗い流すなど対処しましょう。
ガソリン入れすぎによるガソリン漏れ
ガソリンスタンドで満タン給油しすぎると、
などで、タンクキャップから吹き出すか、リアタイヤ前のドレンホースから漏れます。
もし、ガソリンスタンドで漏れてしまった場合は、店員さんに伝えて、乾いた布やタオルを借りてバイクにかかったガソリンを拭き取りましょう。床にこぼれたガソリンは、揮発して消えますが店員さんに指示を仰ぐようにしてください。
ガソリン漏れの修理方法
キャブレターのオーバーフロー
長期保存していて、動かしていないバイクや古いバイクに多いのですが、車両のエンジン後ろあたりからポタポタとドレンホースからガソリンが漏れている場合は、キャブレターがオーバーフローを起こしている状態です。
キャブレターをドライバーの裏でコンコンと叩くと、フロートバルブが動いて正常化する場合もあります。
何度もオーバーフローする場合は、キャブレターのオーバーホールが必要です。
キャブレターのオーバーフローの原因が分からない場合の解決方法を参考にしてみてください。
キャブレターからガソリンがにじみ出る場合
キャブ上部とフロートチャンバーとの間から、ガソリンがにじみ出る場合は、キャブレターガスケット(パッキン)が古く硬化して漏れているか、キャブレターのネジがゆるんでいるのが原因です。
キャブレターガスケットを交換することで治ります。
燃料タンクからのガソリン漏れの原因と修理方法
古いバイクの燃料タンクは、水分発生が原因で錆びて、タンクの中から穴が空くケースがあります。その場合は、燃料タンクの修理が必要です。
古い燃料タンクの塗装が亀裂のようにはがれている場合は、中の錆を疑いましょう。
燃料タンクの錆は、部分的な補修だと別の箇所から穴が空く可能性があるため、タンク全体の錆取りを行い、タンクシーラーでコーティングすることをおすすめします。
燃料コックからのガソリン漏れの原因と対処方法
燃料コックとタンクとの接合部分から漏れている場合は、ボルトを締めてみます。
古いバイクの場合は、燃料コックのパッキンが古くなってガソリンが漏れる場合があります。その場合は、燃料コックを新品に替えましょう。
もう一つ、燃料コックの故障で多いのが、コックを締めても燃料が少しずつ供給されてしまう問題があります。この場合、ガソリンが常にキャブへ供給しようと圧がかかり、キャブのオーバーフローを併発する場合があります。ずっとガソリンが供給されてしまい、駐輪場でガソリンが漏れて止まらないといった最悪な事態も起きます。ガソリン漏れを予防するためにも、燃料コックの不良チェックは行いましょう。
燃料チューブを外して、ポタポタとガソリンが流れないか確認します。バイクを停止している状態でキャブレターのオーバーフローが発生している場合には燃料コックのお漏らしもチェックしてみてください。
以下の動画は、燃料コックを閉じた状態で漏れている様子です。この場合は、燃料コックを交換することで治ります。
バイクがガソリン臭いと感じたら、すぐにメンテナンスを行うようにしましょう。