古いバイクを修理、レストアしているとエンジンがかからない原因が何か分からない・・・と迷宮入りしてしまう場合がありますよね。この記事では、古いバイクのエンジンをかけるための対処法を解説します。
バイクのエンジンをかけるには、良いガス、良い圧縮、良い火花が必要です。チェック箇所を見ていくとおのずと原因がわかってきます。
古いバイクのエンジンがかからないときのチェックリスト
古いバイクのエンジンがかからない場合でも、バイクの故障ではないケースも多いです。
以下のバイクのエンジンがかからないときのチェックリストを見ながら確認してみてください。
No | チェック箇所 | 確認する内容 | 対処方法 |
---|---|---|---|
1 | キルスイッチ | キルスイッチがOFFになっていないか | |
2 | ギア | ニュートラル(N)になっているか | |
3 | ガソリンタンク | ガソリンが空になっていないか | |
4 | フューエルコック | フューエルコックがONになっているか | |
6 | バッテリー | バッテリーが上がっていないか | |
7 | チョーク | チョークを引いていない | |
8 | キャブレター | 立ちごけしてエンジンがかからない |
燃料コックがONになっているか
燃料コックのONの位置を確認しましょう。フューエルホースが透明な場合は、ホースの中にガソリンがたまっているか確認してください。
立ちごけしてエンジンがかからない
立ちごけしたあとにエンジンがかからない場合は、プラグを外してウエスで拭いて十分に乾かしてから取り付けてください。
エンジンシリンダー内にガスが溜まっている可能性があるので、プラグを外したままキックを数回してプラグを取り付けてください。
古いバイクのエンジンがかからない原因
上記チェックリストを確認してもまだエンジンがかからない場合やかかりが悪い場合は、バイクの不調や故障も考えられます。細かい箇所を確認していきましょう。
よくある原因と対処方法を一覧にまとめました。詳しい対処方法も別途記載しています。
No | チェック箇所 | 原因 | 詳しい対処方法 |
---|---|---|---|
プラグ | プラグがカブっている | ||
プラグ | プラグの火花が飛ばない | ||
イグナイター | コンピューターの故障 | ||
キャブレター | オーバーフローしている | ||
キャブレター | ジェットに異物が詰まっている | ||
キャブレター | ガソリンが流れていない | ||
エンジン | 圧縮が抜けている |
古いバイクのエンジンがかからないときの対処方法
バッテリー電圧チェック
まず、バッテリー充電器でバッテリー充電を行いましょう。バッテリーの電圧が12V以下に低下している場合は、バッテリー交換してください。
プラグの清掃チェック
- プラグキャップを外す
- プラグレンチでプラグを抜く
- ウエスで拭く
- プラグを元に戻す
長期間プラグを交換していない場合は、プラグが白く粉っぽい層に覆われて劣化していたり、真っ黒なカーボンが溜まっていたりします。その場合は、プラグを交換してください。
プラグにガソリンがかかって濡れている(かぶっている)状態であれば、金属ブラシで清掃してしっかりウエスで拭いて再度、エンジンに装着してください。
高性能なイリジウムプラグに交換すると、プラグの焼け具合が分からないので通常のスパークプラグがおすすめです。
プラグの火花が飛ばない
プラグの先端をエンジンに軽く当てて、キック or セルを回します。火花が散っているか確認してください。
火花が飛ばない場合は、プラグキャップ・プラグコードを外して、導通テストを行ってみてください。
キャブレターがオーバーフローしている
キャブレターがオーバーフローを起こしてガソリンが漏れている状態であれば、プラグが濡れているのでウエスで拭きます。オーバーフローが毎回起きる場合は、キャブレターをオーバーホールしてフロートバルブの交換・パッキンの交換をチェックしてください。
- フロートバルブが摩耗している
- フロートバルブへの異物混入
- キャブレターガスケット(パッキン)が劣化している
- フロートの高さ不良
キャブレターまでガソリンが流れていない
燃料タンクのガソリンコックを開いて、キャブレターまでガソリンを流します。キャブレターのドレインねじを緩めてガソリンがドレインホースから流れたら、ガソリンがキャブレターのフロート室に溜まっている証拠です。
ジェットの詰まり
キャブレターをバイク本体から外して、メインジェット、スロージェットをマイナスドライバーで取ります。
パーツクリーナーで、メインジェット、スロージェットの穴から勢いよく吹きかけて、穴の先からクリーナーが出ればOKです。もし、穴から出ない場合はジェットの小さな穴が詰まっているので、洗浄液に漬け込みがおすすめ。あらゆる箇所の汚れがきれいに落ちますし、キャブ本体も綺麗になります。
スロージェットの穴は小さく、詰まりが発生しやすく、詰まり解消もしづらいので、洗浄液に漬け込んだあとは、パーツクリーナーで穴が通るかどうか必ず確認してください。
エンジンの圧縮抜け
コンプレッションゲージで確認できます。